通える範囲に将棋教室・将棋道場がない場合、自宅で将棋ソフトを使って勉強する機会が増えます。ですが、多くの漢字を読むのが難しい園児・小学生低学年にとってすべての将棋ソフトでスムーズに勉強できるわけではありません。(棋書にも同様のことがいえます)
今回は、『将棋レボリューション 激指15』を解説。
はたして、園児・小学生低学年の子供でも楽しめる将棋ソフトなのでしょうか?
将棋レボリューション 激指15とは
『将棋レボリューション 激指15』は、株式会社マイナビ出版から発売されている言わずとしれた激指シリーズの最新作。
「マルチコア対応」や様々な機能が追加・パワーアップし、ますますオールインワン将棋ソフトとして多機能に仕上がっています。また、機能の多さだけでなくその強さも多くの将棋ソフトを圧倒する棋力を持ち、初心者用ソフトというより中級者・有段者向けソフトの印象があります。
激指15の3大特徴 ①幅広い棋力設定が可能
対局設定の強さは、14級からPro+2まで選可能。最高棋力のPro+2は、前作の激指14を上回る強さを実現。強さだけでなく、開始局面、持ち時間なども自由に設定可能となっています。
棋力だけでなく、戦型・棋風、時間設定も考慮時間・持ち時間など細かな設定が可能となっていて、指定局面からの練習にも対応しています。手合割もあり、簡単に子供に合ったレベルで練習させることができます。
激指15の3大特徴 ②次の一手問題生成機能を実装
前作から引き続き搭載の「詰将棋作成機能」と合わせていつまでも新しい問題に挑戦できます。
収録されている詰棋バトル・次の一手バトルも前作から大幅に問題数を増量。
実用的で大変素晴らしい機能なのですが、初心者・園児には厳しいです。
基本的に駒がぶつかりあった局面で、その後数手を読み切っての解答するのですが…。中級者以上だとさくさく進めて楽しくなる機能かもしれません。
激指15の3大特徴 ③指導対局のさらなる充実
激指15では前作で初登場の香川愛生女流に加え、新たに渡部愛女流が出演。
セリフのバージョンが増え、本当の指導対局のような臨場感がさらにアップしています。
うちの将棋少女は、渡部愛女流の優しい声がお気に入りで『激指15』を起動すると指導対局ばかりします。もちろん初級者の娘は、指導対局中にもどんどん悪手するのですが、リアルタイムでヒントを聞いています。「〇〇〇の方が良かったですね」 「○○○かと思っていました。」等局面に対するアドバイスを聞いているうちに自然と悪手が減っていくみたいです。
激指15 その他機能一覧
・通常対局
3大特徴の一つ。激指の強さ、時間設定、局面を自由に幅広く設定可能。
・女流と七番勝負
渡部・香川女流と七番勝負で対決できます。二枚落ちで挑戦してみますが、将棋を始めたばかりの女の子ではまったく歯がたちません。いつかは倒す!というモチベーションになるかも?
・指導対局
3大特徴の一つ。渡部・香川女流によるヒントやアドバイスを聞いて対局できます。
・検討モード
形勢判断、激指の読み筋を表示。対局観戦や研究に最適。
グラフで表示され一目で悪手・疑問手がわかるようになっているので、小さい子でもその局面を復習するのに役立ちます。併せて激指15の強さで読み筋が表示されるので、認識を修正するのに役立ちそうですが、園児にはちょっとだけ高レベルすぎかもしれません。
・詰将棋レーティング戦
激指が作成した詰め将棋に挑戦
・実践次の一手
3大特徴の一つ。激指が作成した次の一手に挑戦
・詰棋バトル
週刊将棋掲載の3手・5手詰の詰将棋。正解するとパネルが開き写真を見れるようになります。全部で432問もありますが、レベル1なら3手詰めがあるので初級者も勉強できると思います。
わりと難しめですが^^;
・次の一手バトル
週刊将棋 段・級位認定次の一手 から250問出題。
段級位認定問題を250問も練習できるお得な機能。級位者コースもあり初心者でも楽しめると思ってみたら、初心者親子は難しすぎて???マーク連発。中級者以上になってから挑戦する問題でした。
・実践詰将棋道場
実践詰将棋を1000問収録。
盤面全体を使った実践詰将棋が1000問も収録されていておおよその段級位と点数が表示されます。これも初心者には難しくて1手詰め・3手詰めである程度詰将棋になれてから挑戦しないと1問目も解けないまま挫折してしまう可能性もあります。
(7手詰以上がでてきますので初級者は要注意です)
・七段を倒せ!実践編
指定局面から激指七段と対局
・マイナビ女子オープン棋譜鑑賞
第12期予選までの全対局を鑑賞可能。特に、将棋女子にとってマイナビ女子オープンの棋譜を鑑賞できるのは大きいかもしれません。女子のトップはどういった指し手なのか見ることができます。
将棋レボリューション 激指15は 園児・小学生低学年にも楽しめる将棋ソフト?
『将棋レボリューション 激指15』は、強くなるための機能が多数搭載されていて棋力向上にはかなり有効なソフトであることは間違いありませんが、中・上級者、有段者ほどその効果を得られるかと思います。
というのも、出題される問題・解説にはフリガナがなく、詰将棋の問題は最初から5手・7手詰めが出題されますし次の一手問題も上級者用問題が多数なので、園児・小学生低学年の初心者・初級者が1人で自習するには少し厳しいものがあります。
そのかわり、中級以上になるにつれて有効帯の出題・機能がふえるので、初心者帯を抜けてから活用するのがおすすめです。
激指 強い~><
では、うちの娘のように近所に通える将棋教室・将棋道場がなく中級者になるのも難しい子には、全く使えないのか?となるとそうでもありません。
14級から対応してくれる「指導対局」があります。渡部愛・香川愛生女流が優しく音声有りで指導してくれるので、初心者でも繰り返すたびに無理なく悪手が修正されていきます。
初心者・初級者にとって、多機能な激指15の中でも効果的に棋力向上が見込めるのは、この「指導対局」かもしれません。
機能一覧にのっていませんが「キャラクターと対局」も個人的におすすめだったりします。
というのも、「キャラクターと対局」では、居飛車・矢倉囲いだったり、四間飛車だったり得意戦法をもっているキャラクターと対局できるので「大会前に対矢倉の練習をしたい」、「中飛車対策をしたい」といった練習ができます。
激指15 キャラクター得意戦型 | |
桂子 | 居飛車 矢倉 |
玲 | 四間飛車 |
真名 | 居飛車 角換わり |
生徒会長 | 中飛車 |
橋爪 | 居飛車 横歩取り |
健一 | 居飛車 相掛かり |
秀じい | 居飛車 矢倉 |
黒川 | 三間飛車 |
それこそ、指定局面からの対局開始で強制的に対矢倉戦法や中飛車戦法を練習すればいいのかもしれませんが、初心者・初級者が自らその設定を構築するのは厳しすぎます。
このキャラクター毎の特性で練習できる機能は『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』にもありません。得意戦法で攻めてくる精度はそれほど高くありませんが(指し手によって変化します)、それでも気軽にキャラクターを選択するだけで様々な戦い方と対局できるので、子供にとってはプラスに働きます。
以上、『激指15』は初心者向けというより中級者以上にオススメの将棋ソフトでした。将棋のルールなどの講座は収録されていない部分は致し方ありませんが、将棋のルールを覚えてから指導対局で棋力を上げてもらい、14級から7段+、Pro+2までと何年も使える(教えてもらえる)将棋ソフトでした。
将棋レボリューション 激指15 園児・低学年向け評価 | |
---|---|
初心者向け | |
強さ | |
機能 |
※あくまで園児、小学生低学年を対象とした評価です。
定跡練習に特化した激指シリーズ「定跡道場4」はこちら
詰将棋に特化した激指シリーズ「詰将棋コレクション」はこちら
将棋レボリューション激指15 動作環境
対応OS | Windows7/8.1/10 |
CPU | Intel Pentium3 800MHz以上 |
メモリ | 512MB以上 |
HDD | 600MB以上の空き領域 |
将棋レボリューション激指15 インストール方法
CD/DVD/BDドライブに将棋レボリューション15のCDを挿入。
(DL版の場合は、DLしたファイルから起動)
インストールウィザードが表示されたら「次へ」をクリック。
インストール先を確認し決定、「次へ」をクリック。フォルダ作成がない場合はフォルダ作成しますを「はい」で選択。
「デスクトップ上にショートカットを作成する」にチェック入っているのを確認して「次へ」をクリック。
激指15がインストールが開始されます。
インストール終了後、デスクトップにできた『激指15』ショートカットから起動。シリアルナンバーの入力画面が表示されるのでシリアルナンバー入力します。
以上で、「将棋レボリューション 激指15」の起動が完了です。