序盤の定跡を覚えられない…。対局は月に一度あるかないか…。あっても対局が怖くて敬遠がちな将棋少女は、今日も詰め将棋を練習中。
詰め将棋は好き?
好き。楽しい。
そっか、詰め将棋の大会あるみたいだから行ってみよう!
詰め将棋の大会?
そもそも弱気の女の子で勝負事に向いていなくて対局には後ろ向きですが、詰め将棋だけは他の人と競うことなく自分のペースで進めるので好きみたいです。
詰将棋解答選手権とは
詰将棋解答選手権は、制限時間内に詰め将棋を何問解けるか競う大会。これまで第20回まで開催され、近年の詰将棋解答選手権でもプロ棋士や女流棋士の参加もありかなり高難度な雰囲気な大会。
全国各地で同時開催されランキング集計や速報ブログもあります。開催クラスは、初級戦・一般戦・チャンピオン戦の3クラスがありますが、参加経験者からの話だと初級クラスでも難しいとの事。
がんばる!
そんな詰将棋解答選手権に、級位者の将棋少女が挑みます。
はじめての詰将棋解答選手権
詰将棋解答選手権までは一ヶ月。
詰め将棋ハンドブック、詰め将棋パラダイスとの戦いが始まりました。
~将棋少女 特訓中〜
大会当日。会場に入ると解答席には将棋大会と同じように将棋盤・駒が並んています。
駒使うの?
詰将棋解答選手権は、問題用紙が配られ解答を記入していく方式。座席に用意してある将棋盤駒の使用は自由なんだそうです。
本当の将棋大会は、対局中に駒を使って確認なんてできないよね。だから、基本的には駒は使わないで頑張ってみよう。
でも、どうしても頭の中で駒を整理整頓できなくなったら使っていいからね
はい!
あとひとつ。
時間の事は気にしなくていいよ。解答時間は全部使って、何回も見直しして全問正解目指してごらん。
ビリでもいい?
もちろん
詰将棋解答選手権の初級戦は5手詰めまでの問題とはいえ難しい5手詰めが出題されるはず…。それでも、毎日練習してきたので落ち着いてゆっくり時間をかけて見直せばきっとできるはず…。「解答の速さではなく、一問でも多く正解して自信をつけてほしい」と送り出します。
初参加なので、詰将棋解答選手権のルール説明をしっかり聞いて背筋を伸ばして開始を待ちます。
始め!
いざ始まるとえんぴつの走る音と駒の音だけが響き、見ているだけで緊張します。少したつと、解答を終えた人が提出する中、将棋少女はきちんと言いつけを守って駒を出さないまま頭の中で詰め将棋しています。
半分くらいの時間が過ぎた頃でしょうか。将棋少女も解答用紙を提出しました。
まだまだ時間あるよ?見直しした?
三周した。たぶん…大丈夫だと思う…
普通の将棋大会では、参加者が同一局面で競うことは絶対ありませんが、詰将棋解答選手権は参加者全員が同一問題で競います。それでも、最後の最後まで確認する人や最速を目指す人。それぞれの目標や解き方があって、ある意味自分との戦いなのではないでしょうか。
集計には少し時間がかかるので、その間に自己採点。
こうなって、こうだからこうなるはずなんだけど…でも……
初めての詰将棋解答選手権で、相当自信がないみたいです。
表彰式が始まり、全問正解者の解答時間が速い順に発表されます。将棋大会と違って詰将棋解答選手権は、もっと気楽に応援できると思っていたのですが、子どもの背筋を伸ばして緊張している姿をみているとやっぱり胃が痛くなります。
他の人の名前が呼ばれるたびに不安そうに振り向く姿はとても可愛いのですが、もう少し落ちついてても大丈夫です。
そして…将棋少女の名前が呼ばれます。
全問正解!
!
驚いて振り向いた将棋少女は、半分涙目で^^
初級クラスではありますが、全問正解という目標を達成。将棋を少しでも楽しく思えるように、少しでも自信をもてるようにと参加させた詰将棋解答選手権。どうやら成功したようです。
詰将棋解答選手権 一般戦に挑戦
実は、続けて開催される一般戦にもエントリーしておきました。
(初級戦と一般戦は同日、時間をずらしての開催)
詰将棋解答選手権の一般戦(中級)は、15手詰ぐらいまでが出題されるらしいので初級戦に比べもともと難易度は高いのですが、各問題に「〇手詰め」と最長手数のヒントの記載がないのでさらに難易度が跳ね上がります。
目標は半分正解(前半部分は一桁9手詰までらしいです)。
二桁の詰め将棋はきっとまだ無理だから、まずは一桁の詰め将棋を全部解くことを目標にね。もし、一桁の詰め将棋を見直しして大丈夫だったら残りの時間全部使って二桁のを一問だけやってごらん。
はい!
初級クラスが終わったので安心してみてられます。(一般戦中級クラスは最初から無理だとわかっているため)
~将棋少女解答中〜
どうだった?
一桁の9手詰までは大丈夫だと思う。
…けど、4問目がわからなかった><
集計のあと、高得点の方から順に名前が呼ばれます。
将棋少女の点数は「15点」。前半の一桁問題は正解するも、二桁問になる4問目で躓き止まってしまった模様。目標を達成しましたが、残り時間全部使ったのにまったく解けなかったので落ち込んでいます。
4問目より後半の方が簡単だったよ!
そうそう!
やってみた?
いいえ…見ませんでした(泣)
『順番に解く必要はない。難しい・合わない問題はパスする』など、受験やテストでも知ってて当然の対策を教えてなかった親の失態だったかもしれません。
教えていたとしても、今の将棋少女にはどの問題も難問で解けなかった気もします。最後は、少し悲しい思いをさせてしまいましたが、はじめての詰将棋解答選手権は無事終了となりました。
詰将棋解答選手権を終えて
詰め将棋だけは毎日やっているけど、対局は毎回わからなくて勝てなくて自信がなくて弱気な将棋少女。普段一緒にいれない・対局ができる場所に連れていけないかわりに、オンライン対局の機会を増やすべきなのに環境を整えてあげれないままです。
周りの子達は初段になり、さらに段位が上がりどんどん先に進んでいるのに、本人は依然として級位者として足踏み。これから先は、才能あるもっと小さい子達にも追い越され将棋は勝てなくなる日が来ます。
せめて『終盤だけでもいい勝負ができた』と。この先、詰め将棋だけでも楽しんでほしいという想いで連れてきましたが、ひとつの難問相手に皆で挑戦してる感覚が良かったのでしょう。
来年もでる!!
一桁の詰め将棋を解いて喜んで、二桁の詰将棋は一問も解けなくて泣いて…。はじめての詰将棋解答選手権は、楽しさと悔しさの両方を体験できた素敵な大会でした。