学校の先生に相談するも将棋部を作ることはできず、この夏、文部科学大臣杯小学生団体戦に出場することができませんでした。学校でも将棋を知っている友達が誰もいなくて、寂しい思いをさせてしまっているので、将棋を一緒に指してくれる友達ができればと思っていましたが…
悲しんでいたところ、ねこまどさんの告知を発見。
どうやら『ねこまど将棋まつり』で『ローソン杯女子団体戦』が行われる模様。
はじめてのリアル団体戦
ローソン杯女子団体戦っていう大会があるみたいなんだけど…
出る!
え、えと…これは小学生低学年の初級者がでてもいいやつ? 会場は? チーム人数は?
諸々不明ですが、団体戦に出てみたい将棋少女の願いを叶えるべく調べてみます。
ローソン杯女子団体戦 参加条件
級位者と有段者(オープン)の2クラス。年齢制限はなかったみたいなので小学生低学年でも参加可能だと思いますが、問題は団体戦ということです。
残念ながら、将棋を指せる友達は学校に一人もいません。
そんな中で、さらに東京まで一緒に将棋を指しに行ってくれる子を三人以上探すのは至難の業。これは、無理なのでは…。
ダメ元で、東京の先生に相談しました。
ローソン杯女子団体戦なる大会が東京で行われるらしいのですが…
出場予定のチームで、偶然一人募集していて
(人見知りで泣き虫で、一度負けるとメンタルボロボロで復活まで時間がかかる将棋少女でも)
入れてくれるチームないでしょうか?
探してみますね〜
出れない?
先生が探してくれるって。
まだわからないけど出れるようになった時の為に、練習しよう。
うん!
というような経緯で、参加できることになりました。一緒に参加してくれるチームと協力してくださった先生に感謝です。
あとは大会まで(詰将棋の)特訓して体調管理に気をつけます。
ねこまど将棋まつり2022 ローソン杯女子団体戦とは
『ねこまど将棋まつり2022』の会場は大崎ブライトコア。すごい都会でビル群の高さに圧倒されますが、JR大崎駅から徒歩5分ほどのわかりやすい場所にあります。
『ローソン杯女子団体戦』は、二日制で行われる『ねこまど将棋まつり』の一日目に行われる4人一組の女子団体戦。 団体戦といっても偶数人数で引き分けがあったり、反則は指し直しがあったり優しさを前面にだした大会でもあります。
ねこまど将棋まつり開幕から参加したいところですが、体力がなくいつも眠そうにしているので、ローソン杯女子団体戦の受付開始の昼前に会場入りします。
会場には、各ブースが並んでいますがここではしゃいで対局に集中できないといけないので、真っ直ぐに女子団体戦会場に。
チームプレートが用意されている席で初めての顔合わせ、挨拶してチームに合流。
小さい子から大人の方まで大勢の女性だけが参加しているこの大会は、他の大会では見たことのない優しげな雰囲気で、和気藹々としているチームや作戦会議をしている様子が見えます。
将棋の技術的な事は、各師事している先生や日頃の練習で培ってきているはずなので、一つだけ。
「楽しんできてね」と送り出しました。
時間になり対局前に審判長のお話を聞きます。
対局ルール | |
持ち時間 | 15分30秒 |
反則 | 着手差し直し |
勝利ポイント | 勝ち星が多い方が3P 同数2P 少ない1P |
勝敗 | 四人団体戦の為引き分けあり ① 勝利ポイントの合計点数 ② ①が同じならチームポイントの合計点数 ③ ②が同じなら全体の勝ち星数 ④ 勝敗カードの提出時刻順 |
ローソン杯女子団体戦 開始
さて、ローソン杯女子団体戦の持ち時間は15分30秒と少し長め。子供の将棋大会は持ち時間10分の場合が多いですが、この15分設定を「5分伸びただけ」と「1.5倍にもなった」どちらで捉えるか。
持ち時間の使い方は非常に重要で、様々な戦略があるのでしょうが将棋少女に出来ることは一つです。
序盤の序盤で終わらないように、
いつもよりゆっくり考えて指すこと。
うん。
今回のローソン杯女子団体戦は、4人チーム(偶数)での団体戦なので引き分けがあります。また、反則はやり直しできる優しいルール(今年新設されたオープン戦は別です)
将棋を続けるのならこの子達も大きくなるに連れて厳しいルールに則って戦うことになります。今は将棋を楽しむことを優先して暖かい目で見守りたいと思います。
いざ対局が開始すると、遠目ながらにも少し違和感が…。
個人戦とは違い対局の結果がチーム全体に影響するので、ゆっくり指してほしかったのですがいままでにないぐらい軽快に進みます。序盤で相手の中飛車を2枚銀で待ち構えることに成功も、そこから読みを入れることなくいきなり突撃し…玉砕。
これまでは、時間ぎりぎりまで考えていつも秒読みに追われています。今回は、時間を気にしているからなのか緊張からなのか、これまでと違い時間を大分残す指し方。これが個人戦だったのなら一回戦負けで大泣きに発展。しばらく将棋ができない状態になるのですが…
対局相手の女性の方との感想戦も、険しい顔と泣きそうな顔半々で辛そうに見えます。
対局の合間に休憩時間があり、チーム毎に反省会だったり作戦会議だったり感想戦だったり、緊張の初戦を終えて、会場内が一気に和やかな雰囲気に。
将棋少女も、楽しく会話してくれるメンバーや真剣に振り返るメンバーが側にいてくれて「泣いていられない」と大泣きするのは踏みとどまった様子。
周りを見渡すとチームTシャツやお揃いグッズで一体感がでていたり、作戦会議で次のオーダーを念入りに話していたり大会が進むにつれ、各チームとも楽しさや団結力が上昇しているようにみえます。
いつもみたいにもっとゆっくり丁寧に指して大丈夫だよ。
…うん
それでも、せめて急ぎすぎるのだけは治さないといけないと思い言葉で伝えてみるも、すぐ実践できるほど強くありません。将棋少女は、チームメンバーが順調に勝っていく中、最後まで焦ってじっくり指すことはできず、負け越してしまいました。
小学校では将棋の話題に触れることもできず、一緒に指せる子もいなくて対局も月に1度あるかないか。きっと色々足りない部分があって実力不足が露呈した結果なのですが、チームメンバーのおかげで最後まで指すことができました。
最近、まったく勝てなくなり対局が辛そうだった将棋少女も最後には笑顔に。
これまで、大会となると隅っこで本を読んでいるだけだった娘が楽しそうに一緒に行動している姿をみて、本当に参加できて良かったと思える大会でした。ありがとうございました。
ローソン杯女子団体戦 トークショー
対局は終わりましたが、結果発表の前に出場者だけが参加できるトークショーがあります。
むしろ、引率保護者も参加したいのですが残念ながら頑張った選手だけの特典。小さい将棋少女が、大人のプロの話を聞いて理解できるのか?楽しめるのか?と不安でしたが、笑顔で戻ってきました。
〇〇先生はお酒飲まなくて、〇〇先生はお酒飲むんだって!
逆だと思ってた。
将棋の話も将棋と関係ない話も盛り上がっていたようで、廊下まで笑い声が届いていました。
ローソン杯女子団体戦 自由時間
トークショーが終わったら、結果発表まで少し自由時間。ねこまど将棋まつり2022の会場を巡ります。
いっぷくさんで一息ついたりボードゲームをプレイしている方もいらっしゃったり。
どうぶつしょうぎやリアルタイムバトル将棋が体験できるシルバースタージャパンのブース。
その他にも将棋駒型クッションの55将棋や物販スペースなど。
ねこまど将棋まつり2022会場は、対局だけでなく将棋が指せなくても楽しめる空間。色んなゲームがあったり将棋グッズを探したり。クイズコーナーもあり楽しみ方は様々。
ちなみに、将棋少女はクイズに挑戦。
親子揃って将棋歴が浅く将棋クイズに大苦戦しましたが駒.docを創刊号から調べなんとか全問解けました。しかし、翌日の17時頃投函(時間切れ)して娘に怒られました。
クイズの抽選でレアグッズを狙う方は、早めに提出しましょう…orz
ねこまど将棋まつり会場は、将棋大会だけでなく物販コーナーもあります。その一角に書籍コーナー。
素敵な表紙で、見るからに切れ味が鋭そうな内容と思われる西山朋佳先生の本『実践で学ぶ振り飛車の勝ち方』が先行発売されていました。中を少し確認すると、飛車や角でズバッと斬り込んでいく棋譜が載っています。
なんで、ここで飛車切るの??
棋力的に10級も怪しい将棋少女ですから、この本の内容が理解できるのは10年後かもしれませんが、西山先生の豪快さを追体験できる本でした。
ローソン杯女子団体戦 公式アルバム
深浦先生が「こんなに写真に命を懸けている大会は初めて」と仰っていました。
普段なかなか見れない対局中の姿だったり会場の様子、チーム集合、授賞式や大会開始前の全員集合写真(複数のアングル、複数のカメラマンによる先生方の大移動を経た)を撮影してくれています。
大会後に公式アルバムの中からダウンロード可能になるので、お気に入りの写真を見つけて
楽しかった思い出を振り返ることもできます。
ローソン杯女子団体戦 サプライズ
副賞を開けてみると、西山先生のサイン色紙!
本もゲットで連れてきてよかったと思っていると帰りの通路で西山先生と遭遇!?
「がんばってね」と声までかけていただき・・・
驚きと嬉しさで固まってしまいましたが、このひと声が娘の人生の転機になったり?
ローソン杯女子団体戦を終えて
地方からの参加で心細かったのですが、チームメンバーの皆さんのおかげで楽しい思い出ができました。
子供が大会に参加するとなると、チーム結成から大会当日付き添いまで、体調管理やモチベーション等トータルサポートが重要で非常に大変だったりします。
一緒に参加してくださった子供たちだけでなく親御さんも含め一丸となって参加したローソン杯女子団体戦。きっとすべてが成長に繋がる時間だったと思います。本当にありがとうございました。
来てよかった?
今度は、楽しく指して最後まで諦めないで集中して、強いリーダーのお姉ちゃんのように助けられるようになろうね。
うん!
例え1日限りのチームだとしても、始めてリアルで組んだ大切なチーム。
自分の勝敗がチーム全体の成績に繋がる重責も、大勢の観客の中見守られる緊張も得難い体験。
まとめ役としてリーダーをしてもらったお姉さんも、一緒にがむしゃらに対局にむかった三人組も頑張りました。将来「あの時チームであんなことがあったね」と楽しい思い出との一つとして振り返ってくれたら幸いです。
また『ねこまど将棋まつり』では優勝者だけではなく頑張った証として全員に賞品があります。参加した記念に。そして、楽しかった思い出として。賞品を受け取った方々の笑顔で、素敵な大会だったとわかります。
(一番盛り上がっていたのは将棋大会ではなく、じゃんけん大会だった可能性もあります^^)
今回、ローソン杯女子団体戦の様子をお伝え致しました。将棋の大会となると殺伐とした雰囲気が一部あるものですが、とても和やかで楽しく過ごせたようです。
小さなお子さんから大人の方まで、これだけ多くの女性だけの優しい空間はなかなかありません。
勝つためというより楽しむための一日。大会というよりお祭りという言葉がぴったりでした。友達と一緒に「将棋で遊びたい」娘に参加させたかったのは、こんな大会だったのかもしれません。
一緒にチームになってくれた子達や先生。そして、『ねこまど将棋まつり・ローソン杯女子団体戦』に関わるすべての皆様、ありがとうございました。
会場で次回開催についてのお話がありましたが、どうか次も開催されますよう切に願っております。
https://shogi-girl.com/shogi-tournament/nekomado2022-day2/