昨年は、1・2ヶ月(冬は3・4ヶ月)に一回の大会が唯一の対局日だったりで、圧倒的に対局数の少なさから苦労をかけたので、今年からは単発休日でもちょっと徹夜で無理してでも対局できるところに連れていき対局回数を増やす作戦に。
といっても、都会と違い毎日・毎週のように子供の棋力にあった大会となると見つけるのがさらに難しくなります。そのため、県外を含め移動時間だけで往復5〜10時間の過酷な遠征となる事を覚悟。
ということで、次の休みの日に開催される大会を探します。

ディーオカップっていう将棋の大会があるんだって。

ディーオって何?

ライオンみたいなの?

前、天童の大会に出たとき観光案内所にいたの?

えっ? いた??

観光案内所前 いました・・・

ディーオ君と戦うの?
…(戦いません)
ディーオカップ子ども将棋大会とは
将棋の街天童では、時折サッカークラブチーム『モンテディオ山形』とコラボイベントが開催されているようです。
天童市民応援デーに将棋のプロ棋士がスタジアムに来場して、指導対局やトークショー、駒リ歩ティング、将棋キックボウリング等楽しそうなイベントが盛り沢山。モンテディオ山形のマスコット「ディーオ」君の名を冠した将棋大会も行われます。
全部のイベントに参加したいところなのですが、残念ながら仕事の都合で日帰りの将棋大会だけの参加てす。
そんな『ディーオカップ』は、天童駅パルテの二階で行われます。
初めての場所は、怖くて色々手強くなるのですが、天童駅のパルテには春先「天童桜まつり子ども将棋大会」で訪れています。
「知っている場所なので怖がらない」というのは、実はかなりのポイント。親将としても、トイレの場所や昼休憩の場所、子供の不安を少しでも取り除く為のチェック項目が楽になります。
(泣いたときの待避場所も)
ちなみに、天童駅の隣のパルテ駐車場利用の場合、2時間まで駐車料金無料でした。
ディーオカップ子ども将棋大会 ルール等 | |
持ち時間 | 15分 (一番優しいクラスは時計なし) |
秒読み | 30秒 |
大会進行 | スイス式トーナメント5回戦 |
場所 | 天童駅市民プラザパルテ2階 |
親将 宿泊施設情報
遠方からの参加で宿泊の場合、天童駅まで徒歩1分の「コンフォートホテル天童」は、なんといっても小学生の添い寝無料・駐車場無料とベストな立地と条件。
また、竜王戦や名人戦が行われる「ほほえみの宿 滝の湯」や「天童ホテル」も館内が将棋一色でやる気アップで好手かもしれません
(*’▽’)b
はじめてのディーオカップ子ども将棋大会
対局開始時間が迫り、ディーオカップ子ども将棋大会のルール説明を聞いてると、プロ棋士の先生方が昼過ぎに登場されることがアナウンスされ会場がざわつきます。

他に気を取られていたら1ミリも勝てなくなるよ。
盤面だけに集中しなさい

はい!
将棋少女は、これまでいくつもの初戦敗退・予選落ちをしています。もとより弱いのです。気の弛みもなく全力で臨んでもまだ足りません。
少しだけ強めの送り出しで対局が始まります。
ディーオカップ子ども将棋大会 対局開始
今回の大会は、予選リーグ・決勝トーナメントはなくスイス式トーナメント5回戦の結果で決まるそうです。

スイス式とかよくわからないけど、一つ負けたら終わりの決勝トーナメントだと思って。

うん!
大会が始まると1回戦からいつものように長考。長考といっても1手2分とか3分くらいですが、こども大会(持ち時間10〜15分)においては致命的な消費時間。
小さい時から「何を指したらいいかわからない」と、何も指せず時間切れで負けて泣いていた将棋少女。
序盤から持ち時間を消費して秒読みで苦しむスタイル(単に経験不足、定跡知らず)は、未だに変わっていませんが、それでも秒読みで何かを指すということはなんとか出来るようになりました。
「秒読みで時間が無くなる前に何かを指す?」
何を当たり前の事を言っているの?と思われるかもしれませんが、うちの将棋少女は本当に秒読みで何も指せず何度も時間切れで負けています。もちろん、その度に泣いています。
そんな姿をみた指導員の方からは
「天才な子・強くなる子は、ぱぱっと見えちゃうんだけどね。難しいよね…」
と。専門家の方からもやんわりと才能がないと言われているので、「時間内に指す」たったこれだけのことですが、出来るようになった・成長したとうれしくなります。
さて、対局のほうは指すスピードが極端に遅い将棋少女は当然ながら最後の一組になります。持ち時間を早々に使い切って、一人秒読みに苦しみながら必死に考え続けて30分…。
悪手も疑問手もたくさん指しましたが、不意に現れたチャンスを掴みました。
ディーオカップ子ども将棋大会 お昼休憩
3回戦を終えお昼休憩。
ディーオカップ子ども将棋大会は、天童桜まつり子ども将棋大会と同様に1階の天童将棋交流室の入り口でお弁当と飲み物が配布されます。
参加賞とお弁当…を考えると赤字なのでは?と心配になります。実際のところはわかりませんが、将棋の大会運営はボランティアのようなものだとのお話を聞くこともあります。
子どもを喜ばせる為、強くする為、文化を守る為。運営される方々の尽力によって育っています。ありがとうございます。
食事を終えると、将棋少女は少し眠そうに…椅子で仮眠させます。
ディーオカップ子ども将棋大会 午後の部
1時になり午後の部スタート。
5回戦目。もう、この頃になると胃が痛くて娘の将棋を直視できないので遠くから離れていたのですが、いつもよりかなり早い段階で手が止まります。

(え?まだ10手もいってないでしょ? 何があったの?!)

4手目に角が端に…
これは…何?
飛車先も通常の角道も開けず、端の歩を出しています。
なんていう戦法なのか分からないですが、将棋少女の頭の中は間違いなくパニック状態。何が正解で不正解なのか、最序盤から未知の盤面に。
不安なまま捕まえられない角を追いかけたりバラバラになった自陣をなんとか態勢を整えようとする間に、相手の子は桂馬でどんどん速攻を仕掛けてきます。
これは敗北…と覚悟したのか、自陣を守ることを諦めます。一転した王手が通ってしまいました。

?
対局には勝利しましたが、まったく勝った気はせず
「絶対負けてた…あれ何?どうすれば良かったの??」
と少し困惑気味。
もちろん、将棋初心者の私がわかるわけがなく困っていましたが「端角戦法」と教えていただきました。初めての遭遇で、父娘ともども慌てふためきましたが大変勉強になりました。次に遭遇した際には、10手ぐらいまでは落ち着けるよう家に帰ってから復習して備えます。ありがとうございます。
こんな感じで、終始戸惑い疲れ切っていましたがなんとか大会を終えました。
ディーオ君と遭遇!
対局が終わり、表彰式前に暫しの休憩タイムでしたが…
廊下に出るとディーオ君に遭遇!
将棋少女は、突然の出会いに戸惑います。ディーオ君に向かって走り出す小さい子たちの中、怖がって一人逆走!
(たぶん、もっと小さいのを想像してたと思うんです…)
その後、ディーオ君は表彰式や指導対局にも遊びに来てくれて子供たちを笑顔にしています。

ディーオ君とは戦わないの?

戦いません(知ってた)

ディーオ君 対 パンダ
次は勝つそうです
ディーオカップ子ども将棋大会 指導対局
天童で行われるディーオカップ子ども将棋大会の指導対局には行方尚史九段・野月浩貴八段・佐藤慎一五段のプロ棋士3名もいらっしゃいました。
指導対局は、抽選ではなく希望制。全員が教えてもらえます。
対局会場を所狭しと動き回るディーオ君も気になりますが、早速指導対局にエントリーして待ちます。
しばらくすると順番がきて、将棋少女は行方先生の元に。
実は、指導対局の際も「あまりにも悪い手を指さないか」「二歩しないか」「怒られやしないか」と心配しまくっています。離れて様子を伺っていると、対局時同様に一手を指すのが遅く先生が2周ぐらいしないと指しません…
たくさんハンデ(駒落ち)をしてもらったのですが、上手く指せなかったようです。将棋用語では味が悪いというのでしょうか。良くない手が多発だったらしいです。
駒落ちの勉強もさせないとだめですね…
その後、何名かの保護者の方に聞かれましたが、将棋少女は指導対局の際にタブレットを横に準備します。
というのも、初めての指導対局で将棋のいろはもわからず習った手順も覚えれない中、周りのみなさんがノートやタブレット・スマホに熱心に記録している姿をみかけ…
「覚えきれない場合、記録していい」事を知りました。
それ以来、指導対局の時はタブレットを横に棋譜を残しています。先生方も慣れていらっしゃるようで、将棋少女のタブレット入力を手伝ってくださる方もいます。
将棋少女は、物覚えも悪く天才な子ではありませんので、一回ではとても覚えられません。棋譜は、家に帰ってから5回10回と覚えれるまで復習する材料で、藻掻く為に必須だったりします。
うまく吸収てきないかもしれませんが、頑張ってみます。ご指導ありがとうございました。
ディーオカップ子ども将棋大会を終えて
今回はじめて参加した『ディーオカップ子ども将棋大会』は、天童の強い子達に触発されながら指導対局も受けることができ、ディーオ君とも遊べる楽しい大会でした。
対局の方は、どの対局も持ち時間を消費しすぎて、序盤早々から苦しい表情。残り持ち時間が、1分対10分は厳しすぎる状況で、毎局圧されて負けると覚悟していた状態から優勝できたのは、運が良かったとしか言いようがありません。
どの子も強くて、ほんの少しの違いで全敗もありえました。恐らく、持ち時間が10分だったなら、何もいいところを見せられないまま終わっていたはずです。
「ディーオ君に勝つ」という目標とともに、時間を使わない指し方に改善しなければいけないようです。
初夏の天童将棋特訓でしたが、これでしばらく天童ともお別れです。
天童で出会った皆様には大変お世話になりました。おかげで将棋少女は楽しさとともに成長できました。
天童にきて感じたことは、本気で一所懸命に頑張っている子が多く、初心者もプロ棋士を目指す子も後押しする環境が揃っているということ。
もっと早く来ていれば…と思わざるをえませんが、きっとうちの気弱で泣き虫な将棋少女の場合、今で良かったのかもしれません。
次に訪れる際には、二歩の心配だったり時間の使い方だったり安心してみていられるような姿をみせたいところですが、きっと無理なので泣いている姿をそっと見守っていただければと存じます。
それでは、またお会いできましたら何卒宜しくお願い致します。